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アニメ趣味から読書趣味に変わる理由

 私はこれまで、アニメ・漫画を趣味としてきた。自分がアニメや漫画に入れ込んできた理由としては、簡単に読む・見ることができるので脳を働かせなくていいことと、物語が単純に面白いことがあった。しかし最近は、読書の方が自分に合っているのではないかと思い始めた。その理由を簡潔にまとめたい。

 まず、アニメ・漫画が好きだった理由について深掘りしたい。アニメ・漫画は娯楽だと大人から(私ももう少しで大人だが、1世代上という意味で)指摘されているように、簡単に飲み込むことができる。アニメを見るという行為は、脳を動かして物事を考えるというよりは、物語をそのまま受け止めて感情を吐き出すというプロセスであると思う。私はそもそも人と関わることに苦手意識を持っていたため(背景については割愛するがただ人が自分を嫌いになって悪意を向けられるのが怖かった)アニメや漫画を読むことで自分の感情を豊かにしていたのではないかと思う。人との関わりが多い人(俗に言えばリア充とでもいうのだろうか)は、アニメ・漫画から生まれる感情など、すでに実体験によって得ていたのではないかと思う。

また、アニメ・漫画は少女漫画からファンタジー、SFなど幅広いジャンルを持っていて、その上でてくるキャラクターや俳優は、人間の理想を反映していて、自分の体験し得ない世界を追体験できるという意味で、現実逃避とまではいかないが、人間の人生を豊かにする娯楽として浸透している。

そんなアニメ・漫画よりなぜ、読書の方が良いと思い始めたのか。

まずはじめに、仕事について考え始めたことが要因である。日本の典型的な教育のレールは、まずはじめに国語や算数、理科社会など、知識の基礎を固め、その後それらの知識の応用を学ばせ、さらに教養としてさらに深く知識を理解させられる。そしてようやく、大学三年生になって、時事問題や経済社会に触れることになる。もちろん真面目な生徒は、日々問題意識を持ったり自分から社会問題に対し行動をすでに起こしていた人もいただろうが、私はレールに沿って気楽に生きてきたので、三年になって急に自分が社会に対し貢献したいことや自分が解明したい問題・議題を答えるよう求められ、困惑した。それから、答えのあるテンプレート問題だけではなく、複雑に絡んだ社会問題について自分の生きている環境について考えるようになり、SFやファンタジーは映画のいっときの娯楽であり人生とは全く関係のないことを理解した。くだらないなどと思ったことはないが、この社会が娯楽を楽しむことを許していないのではないかと思うくらい急速に動いているのだと思った。つまり、社会に関係のないものに向けるエネルギーを課題によって削がれ、経済の実用書や社会問題の本を読むようになるのだ。みんなが気楽に意味がなく楽しいものを楽しいといえる世界を作り上げたいものだ。

次に、アニメ・漫画の趣味は人により異なることだ。私たちと同世代の人は、漫画やアニメにハマったことのある人が多いだろう。しかし、それを話題にするとき食い違うのは、ジャンルだ。もちろん、なになにが好きな人が集まって話す分にはいいだろう。高校のときは好きな友人といつも一緒にいるのでそれが可能だ。仕事場や大学の集まりでは、アニメ同好会アニメ会社というようなくくり以外で、アニメや漫画の趣味があうとは考えづらい。しかも、よほどしっかりしたストーリーラインを持った作品でない限りは、感想は薄っぺらいものになると思う(ごめんなさい)。ましてや、一部の人が作品を知っていて、好きなキャラクターに言及したとき、それを知らない他の人は全く興味のない顔をしているだろう。アニメの話は、見た人にしかわからないし、世界設定が特殊すぎて説明が難しく、共通の話題にするのは困難だ。だから、大人になると、話の源として共有できる本を読むようになるのだろう。

最後に、アニメから得られる感情への刺激がたりなくなってくるからだ。アニメや漫画は一回で簡単に理解できるストーリーのものが多い。一気に見て、一気に忘れる、同じ話が多い、という感想があるのも間違いない。すると、なぜこんな簡単な話を繰り返したくさん見るのかわからなくなってくる。近年の少女漫画もテンプレート化していて、愛想の悪いイケメンに主人公の女の子が一目惚れして、でも思いを跳ね除けられてそれに対して怒って暴言をはくと、泣かねーのかおもしれー女とイケメンに興味を持たれ、紆余曲折ののちに結ばれるというものだ。つまり、話が単調でつまらないということだ。最近はSF小説のアニメ化が多いが、小説をアニメ化した方が、文字によってあらかじめ深い描写や伏線張りが行われているからだろうが、面白い。アニメをずっと見ていると、感情はこんなに一直線ではないし、作者がこう思って書いているんだろうなとだんだん気づいてしまう。そうすると没入感が一気にさめて、もっと面白く複雑で文体に癖があって自分には書けないものを持っている人の話を読みたいと思う。これは一つの重要な理由だと思う。

これらの理由で読書趣味へと移行しつつはあるが、昨今のアニメは深いものが多くアニメはより広まってきているので、上の年代の人とは語り合えないとは言え、同年代では語り合えるという状況になることが多い。まあ、つまり、私のコミュニケーション不足でこんな机上の空論が生まれたのかもしれない。あはは